Value Chain Innovation Fund70億円で設立し運用を開始

Corporate, Investment, Topics 2023.07.11

Spiral Innovation Partners は、Sector-focused Venture Capital(SVC)として物流周辺領域のスタートアップへ投資を行う「Logistics Innovation Fund(以下“LIF“)」を運営しておりますが、この度、LIFの承継ファンドとして「Value Chain Innovation Fund(以下”VIF”)」を70億円で設立し、スタートアップ2社及びVC1社への投資を実行し、運用を開始したことをお知らせ致します。

1.Value Chain Innovation Fundについて

物流業界の課題と投資意義

物流業界は約24兆円という巨大な市場規模を誇り、250万人以上の労働就業者が存在する一大産業です。しかしながら、貨物の小口化によるトラック積載率の低下、EC市場の活性化による宅配個数の急増、全産業平均以上の高齢化・低賃金・長時間労働という問題に加え、いわゆる「物流の2024年問題」と称される時間外労働の上限規制による労働力不足といった様々な課題に直面しており、その課題解決が急務となっております。

物流とはまさにインフラであり、全産業・全地域に影響を及ぼすものであるにも関わらず、上記の様に多くの課題が山積みであり、テクノロジーの活用・DXが今後さらに進むと考えております。その市場ニーズを背景に、急成長するスタートアップが多く生まれる領域であると考えています。

VIF設立の背景

Spiral Innovation Partnersは2019年12月に、セイノーホールディングス株式会社をアンカーLPとして、物流業界でのイノベーション創出を目的としたLIFを設立し、これまで物流周辺領域の課題解決に向けてスタートアップとともに取り組んで参りました。しかしながら、”物流領域”のスタートアップとの取り組みのみでは、業界全体の課題を解決できないのではないかという問題意識を持つに至りました。

そこで承継ファンドであるVIFでは、引き続き物流領域を投資対象の中心に置きつつも、その川上・川下にも投資領域を拡大し、荷主企業様のバリューチェーン全体への価値提供を目指します。これにより、物流業界が直面する様々な課題に対して、より広範で包括的なアプローチが可能になると考えています。

VIFにおける投資領域のイメージ

ファンド概要

ファンド名 Valuechain Innovation Fund 投資事業有限責任組合
無限責任組合員(GP) Spiral Innovation Partners LLP
有限責任組合員(LP) セイノーホールディングス株式会社(アンカーLP)

金融機関(予定)

ファンド規模 100億円(予定)
投資領域 物流周辺領域を中心としつつ、荷主企業のバリューチェーン全体への価値提供を行うスタートアップ
投資ステージ アーリーステージ中心に投資
投資ポートフォリオ 個別企業投資、一部FoF(Fund of Funds)投資
URL https://seinocvc.com/vif

 

投資実績

すでに個別企業投資2件及びFoF投資1件を実行しており、また、1件の投資について意思決定済みです。

 

2.Logistics Innovation Fundについて

 

Spiral Innovation Partners が手掛けるSector-focused Venture Capitalの第一弾として組成された、物流周辺領域のスタートアップへの投資を行うファンドであり、投資テーマは①物流周辺領域における新たなプラットフォーム、②既存物流業務のプロセス改善、③物流オペレーション領域の拡大を主な投資テーマとしております。物流業界全体のバージョンアップと課題解決を目的とし、設立から現在までに、個別企業投資は16件実行済みで1件意思決定済み、FoF投資は5件実行済みとなっており、新規の組み入れを完了いたしました。

※ポートフォリオはこちら(https://logistics-innv.com/portfolio

 

Logistics Innovation Fundの主な協業実績について

  • 物流周辺領域における新たなプラットフォームの構築(オープンロジ社)
    • 関東運輸等の拠点をオープンロジの倉庫ネットワークに追加
    • 両社でEC事業を行うクライアントへの共同提案を行いオープンロジのシステムを活用したフルフィルメント案件を獲得
  • 既存物流業務のプロセス改善(エアロネクスト社)
    • セイノーHDラストワンマイル推進室と密に連携
    • 共同で新たな配送ソリューション「Sky Hub®」を立ち上げ、他社が踏み込めていない「ドローンを活用したスマート物流事業」へ参入
    • 複数の地方自治体と「内閣官房 デジタル田園都市国家構想」における連携協定を締結済み
  • 物流オペレーション領域の拡大(ミナカラ社)
    • 西濃運輸の拠点に「ミナカラ薬局」を立ち上げ、医薬品のサプライチェーン短縮に取り組み、医薬品ECにおける配送時間の短縮を実現

 

3.セイノーホールディングス オープンイノベーション推進室について

オープンイノベーション推進室は、自社アセットの積極的な共創活用を目指し2016年に設立。スタートアップやベンチャーキャピタルとの連携を通じて、次世代の物流ビジネスを創造する役割を担う。一例として、物流センターを活用した植物工場事業やオンライン薬局の共同開発、ドローンを活用したスマート物流の社会実装など、さまざまな領域で意欲的な取り組みを行っている。

 

4.Spiral Innovation Partnersについて

Spiral Innovation Partners (SIP)は、オープンイノベーション支援に特化したVCであり、いわゆるCVCの運営を中心に、大企業LP向けに包括的なオープンイノベーションサポートを提供している。LPが戦略目的を起点に設計する従来型のCVCとは異なり、対象セクターの変革可能性及び財務収益性の観点を加味してGP・LPが共同で設計するSVC(Sector-focused Venture Capital)を運営している。

 

本件に関するお問い合わせ先

Spiral Innovation Partners
TEL: 03-6452-8615
E-mail: